7. まとめ
ここまでの検討によって現状の問題点と利用者の要望のあった項目よりシステムとして取り扱う情報の種類と提供範囲をまとめると次の通りである。
7.1 気象情報
1) 情報項目
波浪、うねり、視界の項目追加が望まれている。
2) 観測場所
その区域への密着性と区域の細分化を求めている。
3) 範囲
西からの情報のブロック化を含めて1カ所で得られる情報の広域化と共に船気通なみの時間ごとのデータサイクルを求めている。
4) 気象庁の発表の取り扱い
気象庁の発表をそのまま発表する事については法律上特に問題は無いので、利用者の便宜を考えて、気象庁発表の天気予報の追加も考えられるだろう。
7.2 航行警報
取り扱う情報の内容としては従来通りとするが、
1) 沿岸海域のGMDSS対象船以外の小型船、漁船などにも情報が行き届くようにする。
2) その海域に密着した必要なデータを選択して、たやすくアクセスできるようにする。
3) 視覚的情報に加工して、理解しやすいものとする。
このような情報に対して沿岸航行援助情報システムは中継伝送的役割を果たすことができるだろう。
7.3 沿岸航行船舶の動静の情報
海上交通が輻輳する海域について、他船の動静などがわかる情報サービスを考える。リアルタイムにこの情報を採るために必要なレーダー装置について検討する必要がある。
7.4 漁業関係の情報
漁船が集中操業している海域の情報(網入れ状態、密集状態、操業時間帯)をリアルタイムに他船に伝えるサービスを考える。
7.5 レジャー関係の情報
一般市民に親しまれる海洋レジャー関係の情報、安全に対する知識の向上、事故防止に役立つ情報を伝える中継的役割が考えられる。
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